強制わいせつ罪におけるわいせつとは、判例では、性欲を興奮・刺激させ、かつ人の性的な羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為とされています。具体的な行為としては陰部や胸部、臀部などを触ることが挙げられます。
また強制に関しては、強制わいせつ罪の保護法益が個人の性的自由であることから、被害者の意思に反することを指すとされています。そのため通常個人の意思を抑圧するために必要な暴行や脅迫も要件であると考えられています。このとき少しでも暴行や脅迫があれば成立するわけではなく犯行を抑圧する程度が必要とされ、これは加害者や被害者の年齢、犯行現場の状況、凶器の有無などによって判断されます。
13歳未満の者に関しては、同意する能力がなく、加害者の行為への理解と考えられることから同意があったとしても強制わいせつ罪に当たるとされています。
近年の事例としては痴漢行為が強制わいせつ罪に当たるとされることも多くなっています。痴漢とは電車やバスなど公共の場所で被害者の臀部や胸部などを触る犯罪であり、基本的には迷惑防止条例違反として処罰されますが、服の内部などにまで手を入れた場合にはこの強制わいせつに当たることがあります。
他にもキスをする、ハグをすることが強制わいせつとされることもあります。キスやハグは必ずしも性的な行為というわけではないため、直ちに強制わいせつになるというわけではありませんが、相手の意思に反している場合には暴行罪、また犯行時の状況によっては強制わいせつ罪に当たることもあります。
強制わいせつ罪
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